女医が妊娠したら迷惑?脳外科女医の働き方の場合

女医が妊娠したらアイキャッチ

この記事では脳外科女医である私が妊娠した時の働き方について書いています。

実際の体験談を備忘録としてまとめています。

「女医で妊娠したらいつ報告すべき?」「女医は妊娠したら迷惑だよね・・」色々思うことはありますよね。

結論、職場・働き方によるとしか言えません。
あくまで1例として読んでいただけると幸いです。

目次

女医はいつ妊娠報告をする?脳外科女医の場合

ひとことで脳外科女医といっても、様々です。

あくまでも大きい病院で働いていた私の体験談です。

女医はいつ妊娠報告する?

妊娠がわかってすぐに報告しました

脳外科業務の中には妊娠中は避けた方が良いかもしれない業務があります。

  • 放射線業務
  • 当直(走り回る忙しいもの)

この業務をどうするか、相談する必要があったのですぐに報告しました。

血管内治療というカテーテルをつかった治療や検査があります。
放射線(X線)を出してその中で治療・検査に当たります。
鉛の防護服を着るので必ずしも絶対に危険とは言えませんが、私は避けることにしました。

当直は体調によってだと思います。
無理をするのが一番いけません。
私は安定期に入ってから、比較的楽な当直に入らせてもらっていました。
1人目を出産してからは当直をしていないので、2人目の時は当直無しでした。

働いている病院の状況、環境次第で大きく変わります。

女医の妊娠中に業務で辛かったこと

  • 妊娠初期はつわりで気分が悪い、眠い。
  • 妊娠中期から腹痛・頭痛に悩まされる。
  • 妊娠後期はひたすら腰が痛くて動きにくい。

医師とは言え、妊娠したら自分の体調がどうなるかは初めてだと全くわからない。

つい病気のことばかり想像してしまう。

▼同じ女医さんで産科の先生が書かれた本が参考になりましたよ。

妊娠初期

1人目は食べづわり、2人目は吐きづわり。
共通して眠りづわりがありました。

こんな対策してました

常に白衣のポケットにスポーツドリンクと飴を入れていました。
外来でも常に飲み物を切らさないようにしていました。

一番つらかったのは手術室の匂い。

手術室って特有の匂いがするんです。
手術室に入った瞬間から吐き気がとまらず、涙目で手術室へ行っていました。

不思議なことに手術が始まると吐き気はおさまっていました。

仕事量を減らしていただいていたにも関わらず、家ではずっと寝ていました。
休日もずっと寝るしかできませんでした。

妊娠中期

つかの間の安定期。
体調自体は良くなって動きやすくなって気持ちも上向きになりました。

にも関わらず、ちょっと動くと腹痛がしていました。
妊婦健診では異常はなく毎回安心していましたが、嫌なものでした。
患者さんのベッドを押すだけで腹痛がしたり。

脳外科の手術は座ってやるものも多く、
その点では妊娠中も体調には良かったです。

安定期に入ってから当直。
疲れやすい、眠い状態は続いていたので、当直中に起きるのが妊娠前より辛かったです。

妊娠後期

体重も増えて、腰痛に悩まされました

脳外科の手術は先述の通り座ってできる事も多く、腰痛にも助かりました。
そして、患者さんを運んだりすることが難しくなり、他の先生にずいぶん助けていただきました。

手術の時にお腹がつかえてしまい、
気が付いたらお腹を押していた、なんてこともありました。

業務内容の変化

働いている病院の状況によって大きく異なります。

脳外科女医の妊娠中の働き方は知り合い4~5人、すべて異なります。

  • 放射線業務
  • 当直
  • 長時間手術

私はこれらを相談の結果、大幅に減らして働くことができました。

当直で運ばれてくる患者さんからは学ぶことも非常に多く、体調が良ければ続けたいという人もいます。
現実問題として、勤務先の状況として休めないケースも多々あります。

あってはならないけれど、
「妊娠したからといって休めると思うな」
なんて言われて吐きながら当直していた人も。

女医が妊娠中に復帰のためにやった準備

出産後、復帰をするとワーママとしての人生が始まります。

今までの業務をすべて同じようにこなすことは難しい。

妊娠中に復帰後の準備はして良かったと思っています。

復帰時期を考える

育休は1年取得することができます。
(保育園が見つからない場合は1年6ヶ月、2年と延長することが可能)

しかし、キャリアや状況を考慮し1年より早く復帰することは可能です。
女医は早めに復帰する人が多いそうです。

あくまでも体調優先で!

共働きになったときに子供をどのように預けるか

夫婦で相談することは重要です。
早めに相談しておけば、急なすり合わせのストレスがありません。

夫婦の職場、勤務時間を確認し合い、保育園を選ぶ方向性を決めました。

保活をする必要があります。

  • 預ける時間
  • 大まかな場所(職場近くか家の近くかなど)
  • 子供が風邪の時に呼び出しをどちらが対応するか

基本的には全て私が対応することになるので、夫が協力できる部分の確認です。

両親に復帰後にお願いすることを考える

両親または義両親が近くに住んでいるか、頼れる状況か、でもかなり変わってきます。

私は両親が近くにいましたが、両親も毎回対応できるわけではないため下記を共有することにしました。

  • 呼び出しに対応できない日
  • お迎えに遅れるかもしれない日

対応できない日とは、たいてい手術の日です。
あらかじめ報告しておき、お願いするかもしれない、と言っておくことにしました。

実際細かくお願いしたのは復職後ですが、妊娠~育休中に相談することは大切です。

復帰後はとにかくバタつくのでゆっくり相談の暇もない!

キャリアとの葛藤

30代は脳外科としてはまだまだ未熟な身です。

2人の出産で約2年業務から離れることになります。
私の場合は、ロサンゼルスで生活するため合計3年以上、業務から離れます。

同期と差がどんどん広がります。
男性医師は子どもがいてもキャリアを着実に積むことができます。
勉強しようと思っても、子育てをしていると頭の中は子育て以外ありません。

もうやっていけないのかも・・・

正直、そんな風にも思います。
現時点では今後どうなるのか予測はついていません。
将来像が見えないということが、実はつらい部分ではあります。

どの職種にも共通して言えることだと思いますが色々な選択肢を作っておく
その意味で挑戦を続けている日々です。

脳外科としての勉強も復帰時期が近付けば再開しないといけません。

子供を産んで脳外科医を続けてよかったと思える日が来るように精進したいと思います。

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