この記事では帝王切開当日の流れを予定・緊急と2つ書いています。
「帝王切開のとき手術室では何が行われるの?」「痛い?」「意識は?」色々不安ですよね。
本当に痛くない?
手術中は全く痛くないですよ。
脳外科医の私は手術室には慣れっこです。
冷静に手術を受けることができました。
2018年に緊急帝王切開で出産、2020年に予定帝王切開で出産しました。
予定帝王切開の手術で何が行われるかの詳しい出産レポです。
実際の手術室でのできごとなので、手術室の写真は出てきませんが苦手な方はご注意ください。
予定帝王切開レポ入院スケジュール
予定帝王切開はあらかじめスケジュールが決まっています。
スケジュールは以下の通り。
帝王切開のスケジュール
多くは37〜39週の間に行われます。
私は38週1日目の予約になりました。
以下の方達と挨拶を交わします。
- 担当医
- 病棟看護師
- 麻酔科Dr
- 手術室の看護師
- 病棟薬剤師
特にやることはなく、結構暇です。
当日は絶飲食です。
手術室の流れは読み進めてください。
入院7日目で退院です。
普通分娩だと5日間の入院期間なので2日間長いです。
予定というだけあって、流れは決まっているんですね。
あくまでも「予定」です。
何らかの理由で普通分娩が難しい、もしくは帝王切開の方が安全と判断されたとき選択される出産方法。
あらかじめ予定を立てて行われます。
多くは37~39週で行われることが多いようです。
予定帝王切開レポ① 病室から手術室へ
朝一番の手術で8:30手術室に到着予定。
部屋で8時から手術着に着替えて待機します。
当日は朝ごはん抜きで、数時間前から飲水も禁止です。
手術着が普段は紙の使い捨てです。
コロナ感染症の影響で部屋着を前後ろにして着ることになりました。
*ちょっとしたこと*
髪の毛が長い人は一つに結び、横に出しておくのが良いです。
手術室まで看護師さんと歩いて行きます。
手術室の待合室で待機です。
予定帝王切開レポ②手術室の実際
手術室の大きな流れは以下の通り
- モニター装着
- 腰椎麻酔
- 手術開始
- 赤ちゃんが誕生!抱っこできます
- 傷を閉じる処置
手術室に入ると、まずは仰向けになって心電図や酸素を測る機械などを付けます。
帝王切開開始前に腰椎麻酔と副作用
次はベッドの上で横向きにで腰椎麻酔を行います。背中から針をさして背骨のなかに麻酔薬をいれます。
腰椎麻酔とは
脳外科医がごくごく簡単に解説
人間の背骨のなかには神経が通っています。
神経が背骨から体中に左右対に出て、感覚や運動の支配を行っています。
この神経が走っている管の中に麻酔を入れます。
刺すのはウエストラインの高さの腰から針を刺して入れます。
そこから麻酔薬を頭の方まで広げるためにすこし頭を下げたりします。
麻酔科の先生が体を触ったり冷たいもの体に当てて、麻酔の効果・効果の範囲を確かめます。
見えないところに針を刺すため、恐怖感があります。
チクッと感じて針が入り、針が骨に当たると痛みを感じます。
背骨の中に入る感覚は少し気持ち悪いです。
薬が入ってきます。
足・お股のあたりがフワーっと熱くなり、ピリピリ。
正座でしびれがきれた感じ。
その後感覚がなくなり、麻酔の効果OKサイン。
頭を下げて薬を足から胸のあたりまで広げます。
麻酔を行うと、その影響で血圧がぐっと下がることがあります。
血圧がめっちゃ下がりました。
目の前がグルグル回って気分が悪く、今にも吐きそうになりました。
私が触覚低下に気づくのが遅かったため、麻酔が効きすぎました。
頭側に麻酔の効果が広がると、腕も少し感覚が鈍くなり、呼吸がしづらくなります。
体の酸素の値が下がって、何度も深呼吸を促されました。
予定帝王切開レポ:手術開始
麻酔が効きすぎて、少しバタつきましたが落ち着いたところで手術開始です。
目の前に手術用の布がかぶされ、胸のあたりにはついたてが立てられました。
子宮に到達するまで
「始めますねー。」の先生の声で手術がスタートしました。
痛みどころか感覚もまったくありません。
体を挟んで2人の医師が立って手術をしてくれます。
「前回の手術の癒着があるね。」
「出血もあるね。」
ん?なんと?出血?
話し声が聞こえるため安心な部分も不安な部分もありました。
意識ははっきりしていますよ。
赤ちゃん誕生!
子宮を切って赤ちゃんを出す段階になりました。
赤ちゃんを引っ張り出すとき、内臓が引っ張られる感覚や体がもっていかれる感覚があると聞きました。
しかし、特にそのような感覚はありませんでした。
「今から赤ちゃん出ますよー!」
と声がかかり、気づけば出してもらえていました。
すぐに産声が聞こえて、きれいにしてもらった赤ちゃんに会えました。
会えてとても嬉しかったです。
上半身は動くので抱っこさせてもらえます。
手術終了まで
「縫合して、手術終了です。出血があったのでそこを処置しますね。」
前回の帝王切開のあとで癒着していた部分から出血があり、その止血を行いました。
「出血は子宮ね、ここが卵巣で・・・」
一つ一つ丁寧に確認しながら処置して頂きました。
手術終了まで痛みも感覚もありませんでした。
同時に赤ちゃんもきれいにしてもらっています。
予定帝王切開レポ:術後は自分の病室へ
術後、病室に戻りますが痛みが出てくるまでと出てきてからでは気持ちの余裕が大違い。
必ずもってきておいた方がいいものもありますよ。
術直後、痛みが出るまで
先に赤ちゃんが病棟に帰っていました。
縫合後、服など整えてもらい手術用のベッドから病室のベッドに移ります。
全く自分では動けないため、看護師さんや医師に運んでもらいました。
最後まで痛みはなく、部屋にも気持ちの余裕をもって帰ることができました。
手術当日の夕方くらいまではしびれがあって、足も動きません。
痛みも抑えられて、緊急帝王切開の時より楽でした。
帝王切開の日の夕方
出血が止まりにくく、1時間毎にお腹をグリグリ出血確認。
「んー多いね。」
止血のために子宮収縮剤を追加。
それでも出血が多く、1時間ごとの確認が続きました。
ベッド上でエコーをしたり、薬を追加したり・・・。
毎回子宮のチェックなので、産褥ショーツは必須!
帝王切開の場合は傷に当たると痛いので大きめがいいですよ。
貧血になり、気分も良くない。
なんとか止血傾向に。
夕方くらいから痛みも少しずつ強くなってきました。
帝王切開の翌日
翌日、歩行開始。
痛くないの?
痛くても立ち上がるのです!
全く腹筋が使えずベッドのリクライニングで体を起こし、なんとか立ち上がりました。
イデデデーーーーーーー
ここから手術中に入っている管を抜き始めます。
- 尿道バルーン
- 麻酔の管
- 問題ない人は点滴
でも、動くだけでも激痛。
できるだけ動きたくない。
寝たままで飲めるストローがこんなにありがたいとは・・!
ちょっと動くだけで激痛。
これは100均ではなくちゃんと買うべき!
ちなみに・・退院後7日目に38.5度の発熱をしました。
子宮周囲腹腔内膿瘍の診断。
この話はnoteにまとめましたので、興味がある方はどうぞ。
緊急帝王切開と予定帝王切開
実は1人目は緊急帝王切開で、2人目は予定帝王切開で出産しています。
私自身が脳外科医であるため、緊急手術や手術室は慣れたもの。
緊急の時も付き添っていた家族より冷静だったと思います。
簡単に違いをまとめます。
緊急帝王切開になる原因
緊急帝王切開になる理由は赤ちゃん側の原因とお母さん側の原因があります。
- 赤ちゃん側の原因
- 途中で元気がなくなる
- 引っかかって出てこない
- お母さん側の原因
- 前置胎盤からの出血
- お母さんの持病により調子が悪くなる
- 予定帝王切開の人が陣痛・破水した場合
参考:日本産科麻酔学会
実体験
私の場合、経膣分娩中に引っかかって出てこず、赤ちゃんの心拍が落ちました。
16:45 「次出てこなかったら、帝王切開に切り替えよう!」
という、先生の一言で緊急帝王切開が決定しました。
緊急帝王切開が決まると一気にバタつきます。
手術の件、同意書を家族に取りに行き、私は手術室へいく準備。
私自身はいきむのを止められ、陣痛を耐えながら手術室へ。
17:10には産まれていました。
どれだけ緊急で物事が動くかわかっていただけるでしょうか。
緊急帝王切開と予定帝王切開の違い
緊急と予定の違いを簡単にまとめておきます。
術前〜手術が決まるときが予定か緊急か、という違いです。
術後の流れは同じです。
夕方に緊急手術が行われると、夜中に子宮復古の確認が行われるため寝られません笑
緊急手術は心の余裕もないため、とても焦るかもしれません。
少し知っているだけで安心感が大きく異なります。
どうしても気になるところは看護師さんに聞きましょう。
自分は赤ちゃんに集中です!
帝王切開を少しても知識をつけて望もう
詳しく手術室の流れを中心に予定帝王切開を振り返ってみました。
何が行われるか知らないと不安ですよね。
もしかすると詳しく知ると余計に不安に思われる人もいるかもしれません。
あくまでも私が出産した病院での流れです。
参考にしていただけると嬉しいです。
最後にとても気に入っているツイートがあるので紹介します。
帝王切開はちなみに「お腹を痛めて」産んでます。
コメント
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[…] 【出産レポ】予定帝王切開の手術室帝王切開で二人目を出産しました。予定帝王切開の手術室での詳しい流れを書いています。腰から腰椎麻酔を行い、血圧低下・息苦しくなりましたが […]